入園・入学グッズを作ったり、縫いぐるみの服を作ったりするのにミシンがあると便利ですよね。
でも、どのミシンを選んだらいいかわからないとの質問をよくいただきます。そこで、初心者さんでも使いやすいおすすめのミシンを価格帯別に紹介し、選ぶときに参考になるミシン用語の解説もしたいと思います。(おまけで、ロックミシンも少し紹介します)
※ この記事は、おすすめが変わったときなどに随時更新します。
価格帯別おすすめのミシン
ミシンの使いやすさ(便利な機能の多さ・性能・パワーなど)は価格にだいたい比例します。つまり、価格の高いミシンの方が、準備や調節などをミシンが手助けしてくれるため初心者さんにも使いやすくなります。
でも、ミシンにどのくらいのお金をかけられるかは人によって違いますよね。そこで、価格帯別におすすめのミシンを紹介します。
私が初心者さんにおすすめしたいのは、どの価格帯でもフットコントローラーが付いたミシンです。足でミシンをスタート・ストップしたりスピード調節ができるものです。両手が自由になるので、縫うことに集中できます。
※ 紹介しているミシンの価格帯は、ネットショップでのフットコントローラー付きの価格を参考にしています。実店舗ではもう少し高くなると思います。
※ 同じ型番のミシンでも、付属品はショップによって標準で付いていたりオプションだったりしますのでよく確認してください。
7万円クラス
予算が許すなら私も欲しいのが、ジャノメのパルェルシリーズの最上位ミシンNP3000です。自動糸調子はもちろんありますし、「自動糸切り」や「らくらく下糸セット」は頻繁にミシンを使う人には便利な機能です。便利な機能が盛りだくさんで、初心者さんにもやさしく、とにかくストレスなくソーイングが楽しめます。予算がたっぷりあってストレス無く頻繁にミシンで作品作りをしたい方はこちらをおすすめします。
【主な特徴・付属品】約6.3kg・幅40.6×奥行き17.7×高さ30.2cm・下糸クイック機能・押え圧6段階・縫い模様300種類・文字縫い機能・ブラック反転LCD画面・自動糸調子・糸抜けストッパー付き天秤・ワンアクション糸通し・スタートストップ、返し縫いボタン・自動糸切記憶・モード切り替ボタン・金属製針板・7枚送り歯+水平機構・LEDランプ・自動返し縫、自動止め縫い機能・自動ボタンホール・送り歯ドロップつまみ・押え固定ピン付き基本押え・コードリール式電源コード、フリーアーム
※ショップによって付属品が変わることがあります
4万円クラス(おすすめ!)
ジャノメNP400は、私の使っているミシンJP-510N(古い機種なのでもう売っていません)と同じ価格帯、似た機能のミシンです。自動糸切りがうらやましい!上記7万円クラスのミシンよりも便利な機能が少し減ってしまいますが、こちらでもストレス無く作品作りを楽しめます。
よくミシンを使うけれど、予算を抑えめにして、でも必要十分な機能は欲しい方におすすめです。このあたりの価格帯のミシンを選ぶと(価格面でも性能面でも)大きな後悔はないかと思います。
【主な特徴】約6.0kg・幅40.6×奥行き17.4×高さ29.8cm・自動糸切り機能、水平送り、オール金属製針板、縫い模様20種類、液晶画面(ブラック反転タイプ)、自動糸調子機能、自動ボタンホール、自動返し縫い機能、自動止め縫い機能、自動止め縫いボタン、自動針糸通し機能、針上下停針ボタン、7枚送り歯、ドロップフィード、LEDライト、プリントスケール、フリーアーム、
※ショップによって付属品が変わることがあります。
3万円クラス
このJP310は私が使っているミシンの低価格版です。パワーが少し弱いですが、便利な機能はきちんとついているコンピュータミシンです。軽くて持ち運びやすいのもいいですね。
よくミシンを使うけれど予算をさらに抑えて、それでもストレス少なくミシンを使いたい方、におすすめです。また、たまにしかミシンを使わない方でも予算が許すならこの価格帯のミシンがおすすめです。(ここより下の価格帯になるとコンピューターミシンではなくなることが多いので、使うときに人間がやらないといけないことが増えてきます)
【主な特徴・付属品】約5.5kg・幅40.6×奥行き17.4×高さ29.8cm・縫い模様20種類、液晶画面(ブラック反転タイプ)、自動糸調子機能、自動ボタンホール、自動返し縫い機能、自動止め縫い機能、自動止め縫いボタン、自動針糸通し機能、針上下停針ボタン、7枚送り歯、ドロップフィード、LEDライト、プリントスケール、フリーアーム
※ショップによって付属品が変わることがあります。
2万円クラス
自動糸調子ではなく標準糸調子ですが、ブラザーPS205は便利な機能がたくさんあって使いやすいです。低予算で使いやすいミシンが欲しいという方にお勧めです。(色違いにPS202・PS203があります)
ブラザー コンピューターミシン PS205/PS202/PS203
【主な特徴・付属品】約4.5kg・幅40.7×奥行き17.0×高さ29.1cm・コンピューターミシン・フットコントローラー・ワイドテーブル(オプション)・ライト・標準糸調子・自動針糸通し・一針縫い・自動ボタンホール・下糸クイック・ゆっくりスタート・液晶ディスプレイ・針停止位置設定・ゆっくりぬい・押え(ボタンホール押さえ・たち目かがり押え・片押え・ジグザグ押え・まつりぬい押え)・説明DVD ※詳しくは各ショップの商品詳細ページをご覧ください
1万円クラス
糸調子は手動ですが、低予算でミシンを始めたい場合におすすめなのはジャガーN400です。コンピューターミシンではなく、電動ミシンなので便利な機能は少ないですが、逆に言うとシンプルで初心者さんにも(ボタンやダイヤルの数が少なくて)わかりやすいと思います。フットコントローラー付きを選ばれることをおすすめします。
【主な特徴・付属品】約5.5kg・幅36.3×奥行き19.1×高さ28.0cm・電動ミシン・フットコントローラー(選択)・ワイドテーブル(特典・オプション)・ライト・自動針糸通し・ボタンホール押さえ・説明DVD ※詳しくは各ショップの商品詳細ページをご覧ください
5千円クラス
1万円未満ですと便利な機能がほとんどなくてパワーも弱く、初心者さんにはあまり使い勝手がよくありません。ですが、軽くてコンパクトです。
「子供の入園・入学グッツを(スムーズにいかなくても)なんとか作れれば」「試しにミシンを使ってみたい」「とにかく安く」という方には、コンパクト電動ミシン505Bをおすすめします。
パワーが無いので厚手のものを何枚も重ねて縫うのは難しいですが、乾電池でも動作するため使いたいときにサっと出せますし、フットコントローラーもついていて、速度調節もできます。なので、この価格帯の中では初心者さんに使いやすいミシンです。
【主な特徴・付属品】約2kg・幅27.5×奥行き12×高さ26cm・電動ミシン・フットコントローラー・ライト・ワイドテーブル(特典・オプション)・単三乾電池×4本でも動作可能 ※詳しくは各ショップの商品詳細ページをご覧ください
同じクラスの電動ミシンをもう一つご紹介。クーポンやポイントを考慮するとこの記事を書いている時点で実質6,000円以下で購入できます。
こちらはミシンを提供いただいたので実際に私が試したしてみました。感想としては、
速度はゆっくり(私はもっと速く縫いたい)。自動糸通しないの不便。縫い目は表は比較的綺麗だけど裏はイマイチ。薄手の雑巾も縫える。巾着袋も作れた。布のほつれ止めにジグザグ縫いは意外と使える。軽い。コンパクト。充電池でも使えた。見た目おしゃれ。
いつもコンピューターミシンを使っている私が感じたこのミシンを使うときのコツは、縫い終わった後に布を引き出すときは、針を上まで手動で上げてから。上糸は長めに引き出してから縫い始める。ぐらいです。
自分や家族の日用品(入園入学グッズなど)をたまに、のんびり作るだけですという方には、おすすめです!
その他のミシン
他にもミシンを見てみたいという方は、ミシン売れ筋ランキングを参考にされると選びやすいと思います。また、どのミシンにしたらいいか迷ったら、ショップが公開している機能比較など参考にしてみてください。また、ミシン選びの相談に乗ってくれるショップさんもあります。
用語解説
初心者さんは、ミシンの機能や付属品などが何のためにあるのかや、どれが自分に必要なのかよくわからないと思います。そこで、ミシンを選ぶときのポイントになりそうな機能・付属品を解説します。
糸調子
ミシンには、上糸と下糸があります。この上糸と下糸のバランス(引っ張りあう強さ)が合っていないときれいな縫い目になりません。
そして、糸や布の種類や厚さによってこのバランスが変わるため、その調節を行います。これが糸調子です。糸調子には3種類あります。
自動糸調子
ミシンが自動で糸調子を合わせてくれます。ミシンを使う人は糸調子のことをほとんど気にすることなく縫い始められるので、初心者さんにおすすめです。価格の高い機種ほど精度よく合わせてくれます。
標準糸調子
自動糸調子より精度はよくないですが、まあまあ自動で合わせてくれます。自動糸調子付きのミシンよりも低価格です。予算が少ない初心者さんにおすすめです。
手動糸調子
ミシンが自動で糸調子を合わせてくれないので、試し縫いをしながら糸調子ダイヤルを少しずつ回して手動で(自分で)合わせます。低価格のミシンはこのタイプが多いです。
慣れればそれほど難しくないのですが、慣れていない初心者さんには難しく感じるかもしれません。小中学校の家庭科で糸調子を合わせるのに苦労した経験のある方は、自動糸調子付きのミシンを選ばれることをおすすめします。
※ 商品の説明には「手動糸調子」という表記がされることはほとんどありません。「自動糸調子」や「標準糸調子」と書かれていないものが手動糸調子です。
フットコントローラー
足でミシンをスタート・ストップしたりスピード調節ができるものです(低価格のミシンはスピード調節ができない機種もあります)。両手が自由になり、縫うことに集中できるので初心者さんにおすすめです。
フットコントローラーが無い場合は手元スイッチ(ミシンについているスイッチ)でミシンのスタート・ストップを行うことになります。
フットコントローラーを使うときは、テーブルやデスクにミシンを置いて椅子に座って操作してください。コタツやちゃぶ台などの低いテーブルにミシンを置いて床に座って操作するのは、(慣れている人はできますが)難しいです。
押さえ
押さえにはいろいろな種類があります。ここでは使う可能性が高い順に4種類を紹介します。
基本押さえ
どのミシンにも最初から付いている基本の押さえです。直線縫いをするときなど、一番出番の多いのがこれです。
たち目かがり押さえ
布のほつれ止めにジグザグ縫い(ががり縫い)するときに使います。入園・入学グッズで巾着袋などの作り方に、「布の端にジグザグミシンをかけてください」という指示がされることがよくあります。そのときに、この「たち目かがり押さえ」を使うときれいに仕上がります。
この押さえがなくてもほつれ止め目的のジグザグ縫いはできますが、厚くない布地の場合は布の端が丸まってしまうため、きれいに仕上げるには少し内側をジグザグ縫いして余分な布を切り落とすなどの工夫が必要になります。
ボタンホール押さえ
自動ボタンホール機能があるミシンでは、ボタンをセットすると自動的にそのボタンの大きさにあったボタンホールを縫ってくれます。
ファスナー押さえ(片押さえ)
ファスナーを付けるときに使います。ファスナー近くギリギリを縫えます。
自動針糸通し
ミシンの針穴に、糸を通すのを手助けしてくれる機能です。糸の色や種類をよく変更する場合はあると便利です。糸通しに糸をひっかけて、糸通しを上に引き上げると一瞬で針に糸が通ります。(メーカーや機種によって糸通しの形や方法は違います)
ワイドテーブル
ワイドテーブルはミシンの作業領域を拡張してくれ、大きめの作品も縫いやすくなるため初心者さんにもおすすめしたいのですが、いくつか難点があります。大きいので作業台(テーブルなど)にミシンだけを置くよりも設置スペースが必要になりますし、設置する手間が少しかかります。
頻繁にミシンを使う方で、ミシンを出しっぱなしにしておける作業台がある方はワイドテーブルをおすすめします。ですが、たまにしかミシンを使わなかったり、毎回ミシンを出してくる必要がある方はあっても設置・片付けが面倒で使わなくなるかもしれません。
ちなみに、私はミシン出しっぱなしなのでワイドテーブルがあってよかったと思っています。
パワーがある/パワーがない
パワーがないミシンは厚地を何枚も重ねて縫えません。一般的に価格の高いミシンほどパワーがあり、本体も大きくて重いものが多いです。逆に価格が低くなるほどパワーがなくなります。
普通生地で巾着袋などを縫うだけでしたらパワーのないミシンでも大丈夫ですが、キルティング生地やジーンズ生地を何枚も重ねて縫う場合はパワーのないミシンでは難しくなります。
ちなみに、パワー無いミシンでは雑巾が縫えないという話がありますが、縫い方を工夫すると意外と大丈夫です。
ミシンの種類
家庭用のミシンは、電動ミシン・電子ミシン・コンピューターミシンと大きく3つに分かれます。
電動ミシン
価格が低いミシンに多いタイプで、機能が少なくてシンプルです。また、低速ではパワーが落ちるという特徴があり、厚物が縫いにくいです。
電子ミシン
速度によってパワーが変わらないため、低速でもパワーが落ちません。ラインナップが少ないです。
コンピューターミシン
価格が高いミシンに多いタイプで、便利な機能が多いです。当然、低速でもパワーが落ちません。初心者さんにおすすめです。
刺繍(ししゅう)ミシン・文字縫い
ミシンで刺繍や文字縫いができると素敵ですよね。でも、ミシン自体が高価になりますし、刺繍は意外と手間がかかりますので、購入する前にご自身が何をやりたいのかをよく考えてから選んでみてください。
刺繍ミシン
刺繍ミシンで刺繍するときには、刺繍枠を付けないといけません。そのため、小さい布や既に出来上がっている作品(既製品)など、直接刺繍ができないものもあり、その場合は、別の布に刺繍をしてそれを縫い付けることになります。
また、セッティングなどに手間がかかるため、刺繍がとても好きな人以外は使わなくなる可能性が高いです。刺繍ミシンはお値段が高いため、刺繍がしたいという強い意志や予算がある方向けです。
文字縫い
文字縫いは、コンピューターミシンで文字縫い機能(ステッチの一種)がある機種で使えます。刺繍ミシンよりもお安いですが、文字の美しさは劣ります。文字の種類は機種によって違いますが、ひらがなだけのものや、カタカナやよく使う漢字が使えるものもあります。
入園・入学グッズの名前をつけたい場合
子供の入園グッズやお洋服に、ミシンでお名前を刺繍したいと思う方もいらっしゃると思います。私もミシン購入検討時にそう思いました。でも、調べていくと刺繍ミシンはかなり手間がかかることがわかり、文字縫いも思ったほどきれいに仕上がらず、文字の間の糸を地道にカットする必要があるとわかり、断念しました。
布製品にお名前を付けるには、アイロンで付けるお名前シールがおすすめです(タグにつけるアイロンがいらないものや、普通のシールもあります)。小さいお子さんですとあまり文字が読めないため、(お子さんが)好きな柄のお名前シールを選んでもらって、幼稚園・保育園のお道具や服にはすべて同じ柄のお名前シールを付けるとわかりやすくなります。
どこでミシンを買えばいいか
ご自宅の近くにある店舗で、ミシンを試せてお安く買えれば一番いいですよね。でも、実店舗よりもネットショップの方が安いことが多いです。
ネットショップで買ってみる
私がミシンを買ったのは、楽天市場内にあるネットショップ「ミシンジャパン」さんです。安くて保証も充実しています。
そして、さらにお安く買うためには、セールを待ってみてください。購入したいミシンがあったら、とりあえず買い物かごに入れておいて、〇〇円OFFクーポンとかポイント〇倍とかがある時に実際に購入するのです。
楽天市場では結構頻繁にセールが行われているので、割引が何も無い場合はちょっと待ってみるのがお得に買うコツです。
故障したときの対応は
ネットで電気製品を買うと故障したときの対応が不安ですよね。購入する前に、故障したときはどのように対応してくれるかをきちんと調べて(読んで)おくことをおすすめします。
ショップによって違いますが、私が購入した「ミシンジャパン」さんは、5年保障付きで修理対応についてもきちんと書いてあり、口コミも見て大丈夫そうだと思いここで購入することにしました。
故障体験記
私は「ミシンジャパン」さんで、家庭用ミシンの他にロックミシンも購入しています。そして、そのロックミシンが、購入してからすぐに調子が悪くなってしまい、修理に出しました。
そのときの修理の流れとしては、電話で連絡⇒技術者が内容を聞いて口頭で対応できるならそこで⇒無理だったので⇒着払いで発送⇒1週間ぐらいで修理されて戻ってくる。という感じで、保証期間内でしたのですべて無料でした。
ネットショップでものを買うのは不安ですが、それぞれの商品レビュー(口コミ)なども見て判断してみてください。
おまけ:ロックミシン
家庭用ミシンに慣れてくると、ロックミシンが欲しくなるかもしれません。私が持っているロックミシンは以前紹介したのですが、かなり前に購入したので現在は売っていません。
低価格(3万円クラス)でロックミシンを始めたいっていう初心者さんにお勧めなのは、こちらのMO-50eNです。取扱説明DVDも付いています。
ロックミシンは家庭用ミシンよりも全体的に高価です。低価格なものですと、糸調子や糸掛けが自動ではありません。こういう面倒なロックミシンの準備のを自動でやってくれる機種は10万円を超えるもの多いです。
その中でも比較的低価格(8万円クラス)でお勧めなのが、こちら。
予算がたっぷりある方(20万円クラス)にお勧めなのは、こちら。
他にもロックミシンを知りたいという方は、ロックミシン売れ筋ランキングを参考にされると選びやすいと思います。